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ヒロインが子供を生んでも許されるライトノベル 狼香辛料18巻レビュー(18巻以前のネタバレあり)

ラノベ読書日記

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こんにちわどうも、てんたまです。

 

今日はライトノベル狼と香辛料最新(現時点)18巻」を読みましたので。その感想を語りたいと思います。

狼と香辛料とは?

電撃文庫発刊、作家「支倉凍砂」先生の、リアルな西洋ヨーロッパの中世時代を舞台に、御伽話風のファンタジーを織り交ぜたライトノベル作品。

 

物語は、街から街へと商売をしながら旅をするロレンスと言う行商人の青年が、パスロエ村で、豊穣の女神と崇められていた巨大な狼の化身であるホロと出会い、そのホロの力を借り数々の危険な商売や逆境に立ち向かっていく話となっています。

 

18巻レビュー

前回17巻から数年ぶりの最新刊ですね。前回は本作のヒロインでありますホロと夫婦になり、念願の夢だった土地に温泉宿を構える事が出来た事から行商の旅も止め、そして「父親」になると言うラストでしたが。

 

今回はそのお話から10年後の物語となっており、主人公ロレンスも40近くになるも、ホロと昔と変わらぬやり合いをしながら、最後に行きついた北の温泉の村ニョッヒラで暮らす日常を描いた、四つの短編集が18巻の内容となっています。

 

短編集あらすじ~

 

旅の余白

温泉の村のニョッヒラに、別のところで温泉の営業が始まるかも知れないと噂が流れてくる。

村は新しい温泉の村に客を取られないようにと、新しい催し物をやろうと言う話になるのだが、その催し物を考えてくれとロレンスは村の者から頼まれてしまう。

 

黄金色の記憶

温泉宿を経営しているロレンスたちの前に、どこか訳ありな老人の客がやってくる。

老人は何かを探しているらしく、ロレンスたちは、この宿に来た事に満足して貰える為、その老人が探している「何か」を見つけるのを手伝う事にするのだが…。

 

狼と泥まみれのおくり狼

村に来て十数年、ようやく村に受け入れて貰えたのか、ロレンスは村から大きな頼みごとを頼まれてしまう。

しかしその頼みごとをやるために向かった町で、ロレンスは商売敵同士の争いに巻き込まれてしまう。

そんな中、新しく温泉宿をやろうとしているライバルに会ってしまうのだが…。

 

羊皮紙と悪戯書き

数年前にロレンス・ホロと人生を共にする事になったコルは、二人の間に生まれた娘ミューリーの兄として世話をしていたが、流石ホロの娘か、日を追うごとにみるみる成長していく事に、末恐ろしく感じる日々を送っていた。

 

など以上4つの内容の短編集となっており。

 

話の出だしで、ちょっとドッキリするような展開があるので、ちょっと動揺しましたが、掴みはOKだったと思います。

そして、久々にいつものホロとロレンスの二人の会話のやりとり。

すっかり年頃の娘を持つ父親の姿になってしまったロレンスにほっこり。

はたまたその娘であるミューリーが、コルとちょっとドキドキな展開になってにニヤニヤ出来たり、勿論御伽話的な雰囲気もしっかり文章に含まれてて、今回もとても楽しめました。

 

ヒロインが子供を生んでも許されるライトノベル 

前回では、半ば人生の終着地点に着いたような最後を迎え、アニメならば最終回のスタッフロール、ゲームならエンディングを見ているような、そんな萌え系ライトノベルならば、物語的に完全に終わったかと思われる最後を迎えたと、私は17巻で感じるところがありましたので。

まさかまさか18巻がでるとは露にも思ってませんでした。

 

何故そう思うかは、ヒロインが「子供を生んだ」、とにかくこれに尽きます。

 

相手が主人公であったにせよ、こう言う萌え系作品、特にライトノベルなら、ヒロインの処女性を失われた時点で完全な終わりを迎えないといけないかと思うのです。

 

萌え系ライトノベルを知らない人からしたら、ピンと来ない話かも知れないけど。

その訳は、そう言った雰囲気の作品のヒロインの処女性は特に重要視されるからです。

私は処女であるか否かは特に気にしない方ですが、萌え系アニメが好きな大部分の人は、好きになった女性キャラクターは処女では無いといけないと言う鉄壁の理念があるように思えます。

現に結構昔の話ですが「かんなぎ」と言う、萌え系の漫画・アニメ作品で、ヒロインであるナギが、話が進むうちに処女では無かったと言う設定にしてしまった事により、今まで「かんなぎが大好き! ナギちゃん可愛い!」と言ってた人達が一転して「ビッチ!」と切り捨て人気が急落し、作品があっという間に消えてしまったお話などありました。

 

このように、萌え系アニメが好きな人はキャラクターに強い処女性を求めるのです。

 

なのでこの狼と香辛料のように、ヒロインが処女でないどころか、子供を生んでしまったと言う設定は、萌え系ライトノベルのヒロインとして、AKB48の峰岸が丸坊主になる以上に言語道断な話かと思いますが。

しかし狼と香辛料については、私はホロが子供を産んでも処女でなくても、全然アリかと思います。

私は処女であるかはあまり気にしませんが、処女を気にする人の気持ちも分かるので、その人の立場に立って考えても、別にホロはキャラとして処女で無くてもOKと感じます。

と言うか、ホロは作中で既に、自分は経験人数があるような事を言ってますし、ロレンスに子供を作ってくれと迫った事もあります。

この事から考えると、子供を生んだことは無いにしろ、そう言う事をさっと言えてしまう部分を見ると、ホロが経験がある可能性は極めて高く感じられます。

しかも主人公以外の別の男と言うのは、これは極めて受け入れがたい物です。

ハーレム物を見てて、主人公以外の男がハーレムの女の子にちょっかい出している演出を見るくらい、何か嫌な物を感じます。

しかし何度も言いますが、狼と香辛料のホロはそうであってもOKです。

何故そう感じるかと言うと、狼と香辛料と言う物語が、元々そう言った大人の男と女の関係を描いているからです。

どこかのバーでお酒を飲みながら女を口説くような、そう狼と香辛料は、ライトノベル作品に良くある女の子がチョロくすぐ好きです! とかなっちゃう展開では無く、男だったらわっちを惚れさせてみろ! と言う事を大前提にした作品だからです。

学園ラブコメのような都合の良い恋では無く、狼と香辛料は、演出にそれでも萌えがあるから気付きにくいけど、あくまで大人の恋を表現している物語なのです。

 

男と女のラブゲーム、と言う感じの。

 

そしてそのアダルトな流れを許しているのは、狼と香辛料が長い人生を感じさせる物語だからだと思います。

 

処女でなければ許されない作品は、だいたいが学生時代など短い期間を描いた作品が多く、その短い一瞬の、きらめきにも似た時間の中だからこそ、そう言った作品が好きな人は、そこに純粋で綺麗な物しか望まなくなると思うのです。

 

だからそう言った処女でなければ絶対にいけない流れが生まれると思うのですが、しかし狼と香辛料は、主人公のロレンスが24才から40才近くになるくらいの、十数年を描いた時間的には長い物語で、そこまで時間が経てば、結婚するなり子供を作るなり、ライトノベルのヒロインでも人並みにそうなるであろうと想像が出来るから許せるのです。

 

ドラゴンボールのブルマとか、ドラクエ5のビアンカみたいに。

 

長い人生を舞台にした物語は、ヒロイン、もしくは可愛い女の子が処女で無くなっても許せる雰囲気が生まれてくると思うのです。

 

だから狼と香辛料は、ヒロインが子供を生んでも許されるライトノベルになるのではないだろうか? と私は考えるところなのです。

 

それらの事から、ホロと言うヒロインは、そう言う「処女」と言う物質欲的な物を省いた、純粋にホロと言う魅力を堪能する女性キャラであり、それがホロの楽しみ方だと感じるのです。

 

ゆえにホロと言うキャラに処女性は必要ないと、まとめるところなのです。

 

この一枚上手なお姉さんキャラであり、また老獪なキャラであるホロ。

その処女でないからこそ出せる独特の女の魅力は、他の、処女を大事にしている作品に登場するような、安定した可愛さを保つヒロインには無い魅力があり、それは一見の価値はあるかと思います。

 

もしもまだ狼と香辛料と言う作品に触れていない人など、この記事を読んで興味を惹かれたならば、是非一から読んでほしいと感じるところです。

 

一風変わったヒロインのホロが醸し出すその魅力と、憧憬すら覚える中世を舞台に御伽話感覚に進行していく物語は、今でも「新感覚ファンタジー」として感じられる事でしょう。

 

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