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ベジータ「ハルケギニア?」10

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~トリスティンのとある山中~

ベジータ「くっそおおおお!!」ズガーーン!(岩を砕く
ベジータ「く……」わなわな
ベジータカカロットの野郎はスーパーサイヤ人になってフリーザを倒してドンドン先に行っちまってるってのによ)
ベジータ「俺は未だにスーパーサイヤ人すらなれず、あげくこんな低レベルな星で戦闘力1000ぽっちの奴に命を助けられてるだと……?」
ベジータ「ふ、ふざけるなーーー!!」カッ!(全身エネルギー波
ドカーーーーン!!!
パラパラ……
ベジータ「はぁはぁ……」
ベジータ(くそぉなぜだ!)ガンガン(地面を叩く
ベジータ(なぜカカロットは、カカロットだけがスーパーサイヤ人になる事もフリーザを倒す事も……)
ベジータ(俺がやりたかった事が全部出来ちまいやがるんだぁ……)
ベジータ(な、なぜ)
ベジータ(なぜ俺だけが……)
ベジータ「く、ぐくくくく」ギリギリ

フーケ(牢屋から出してくれたレコンキスタからベジータ討伐を頼まれたが)
フーケ(ふっふっふ、あの時の恨みを返すのに絶好の機会じゃないか)
フーケ(何も知らないでこのあたしを落ちこぼれのクズ貴族呼ばわりしたベジータ
フーケ(あいつだけは絶対に許さないよ)
フーケ(それにしても必要経費と前金だけで凄い金額じゃないか)
フーケ(おかげであいつを倒すマジックアイテムも大量に買えたし、故郷にたっぷり仕送り出来たから本当にレコンキスタ様々ね♪)
フーケ(しかしベジータを殺すならルイズって小娘を殺しちまった方が早いのに)
フーケ(あの依頼主ワルドってのが止めるもんだから面倒くさい事になっちまったね)
フーケ(まあでも、これだけ破壊のマジックアイテムがあればベジータなんか楽勝だろうけどね)
フーケ(さて肝心のベジータはどこに?)
フーケ(情報じゃこの山中のどこかにいるらしいが)
ズガーン! ドカーン!
フーケ(なんか向こうが騒がしいね、あっちかしら?)
ベジータ「………」
フーケ(いたベジータ!)
ベジータ「ハアアア!!!」
フーケ(ん? 何をして……)
ベジータ「ハァ!!」ドギューーーーン!!!
フーケ(!?)
ヒュルルルルル………
スガーーーーーーン!!(爆発
ゴオオオオオオオオオ……(爆発中
フーケ「あ…あ」
ビュウウゥゥオオオオーー(爆風
フーケ「う! あああ!」ヒュウウ、ゴロゴロ(爆風で飛ばされる
フーケ「はぁはぁ……」
フーケ「………」
フーケ「………」
フーケ「あ、そう言えばゲルマニアの成金貴族がお宝を一杯溜め込んでるって噂を聞いてたわね(棒」
フーケ「うん、ゲルマニアの方が儲かりそうだわ、あっちへ行きましょう(棒」
フーケ「あははー(棒」タタタ

以降、土くれのフーケを見たものは誰もいない……

~ルイズの部屋、夜~

ルイズ「あれからベジータどっか行っちゃって戻ってこないけど、どこへ行ったのかしら?」
ルイズ「せっかく召喚しちゃった事謝ろうと思ったのに……」
ルイズ「それにしても急に飛んでちゃってどうしたのかしら?」
ルイズ「なんか怒ってたみたいだし」
ルイズ「またなんか怒らせちゃったのかな?」
ルイズ「………」
ルイズ「あーもー!」
ルイズ「なんでこの私が悩まなきゃいけないのよ!」
ルイズ「ほんとっ! あいつはいつも急に怒りだして」
ルイズ「意味わからないから! ほんとっわからないわ!」
ルイズ「そ、それにあの性格なんとかならいの!?」
ルイズ「レディに向かっていつもいつも、お前とか貴様とか、チチチチビ女とか!!」
ルイズ「蛮族か平民だか、どっちかわからないけど、いくらなんでも品が無さすぎでしょ!」
ルイズ「そ、そんな奴になんで公爵家の私から謝らなきゃいけないのよ!」
ルイズ「そ、そうよ謝る必要なんてないわ」
ルイズ「だいたいこの世界に来ちゃったのだって、ベジータが使い魔に召喚されたのがいけないんじゃない!」
ルイズ「私は選んで召喚出来るんじゃないんだから、コルベール先生だって言ってたし、私は悪くないわ」
ルイズ「そうよ勝手に召喚されたベジータが悪いのよ!」
ルイズ「それなのにいつまでもいつまでも恨みがましい態度とって、ほんとっ許せないわ!」
ルイズ「………」
ルイズ「……ま、まあ、私に使える魔法を教えてくれた事はか、感謝するけど///」
ルイズ「でも! それはそれ! これはこれっ!!」
ルイズ「物を教えられてる立場だったから最近強く出れなかったけど」
ルイズ「ちょっと使い魔としての立場をもう一度わからせる必要があるようね!」
ルイズ「見てなさいベジータ! 帰ってきたらあんな事やこんな事してお仕置きなんだから!」
ルイズ「ふふっふ、ふふふふw」
ルイズ「あっはははははは!!!」
アンリエッタ「……る、ルイズ?;」
ルイズ「はっ!;」
ルイズ「ひゅうわわぁぁめさま!(姫様)」クルン、スタッ(振り向きざまフライング跪き
ルイズ「いいいいつから、いらっしゃったのですか姫様!!」
アンリエッタ「す、すみませんルイズ」
アンリエッタ「しのびで来たので、そこの窓からこっそり入ったの」
アンリエッタ「驚かしてごめんなさいねルイズ」
ルイズ「いいいえ、私こそお見苦しいところ見せてしまって申し訳ありませんわ」
アンリエッタ「ふふ 」
ルイズ「そんな事より姫様」
ルイズ「こんな夜更けに護衛もつけず一体なんの御用でございましょうか?」
アンリエッタ「はい」キリ
アンリエッタ「実は個人的な事で貴方にお願いしたい事があってきました」
ルイズ「個人的な事?」
アンリエッタ「ええ、実はアルビオンウェールズ皇太子からある物を返してもらいたくて」
ルイズ「アルビオンの……!?」
アンリエッタ「はい、私はこの事に関してあまり公には動けないので、代わりに取ってきて貰いたいのですが……」
アンリエッタ「お願いできますか? ルイズ・フランソワーズ」
ルイズ「ははっ、このルイズ、一命に代えましても姫様の任務、やり遂げて見せますわ」
アンリエッタ「ふふ、ありがとう」
アンリエッタ「ところでさっきからベジータさんのお姿が見えないみたいですが……」
アンリエッタ「外出中でしょうか?」
ルイズ「え!? べ、ベジータになんの御用でしょうか?」
アンリエッタ「ルイズに頼むのでしたら、ベジータさんにも頼む事になるので一言お声をかけようかと思ったのですが……」
ルイズ「そ、そんな姫様自らお声おかけになるなんて、も、もったないですよ」
ルイズ「姫様のお言葉このルイズめが必ずお伝えしておきますので、どうぞご安心を」
アンリエッタ「そう言う訳にはまいりません」
アンリエッタ「アルビオンは今や貴族の内乱でとても危険な地になってるのです」
アンリエッタ「そんな場所に向かわせるのに顔も合わせる事もしないなんて私の気がすみません」キリ
アンリエッタ「ですからベジータさんが帰ってくるまで今しばらく待ちましょう」
ルイズ「あの…でも」
アンリエッタ「どうしましたルイズ?」
アンリエッタ「もしかして迷惑でしたか?;」
ルイズ「そそそんな事ありませんわ!」
ルイズ「姫様さえよろしければ、いつまでもいらしてくださいまし」
アンリエッタ「うふふ、ありがとうルイズ」
ルイズ(あ、し、しまった! ベジータはいつ帰ってくるかわからないのに)
ルイズ(ど、どうしよう)
アンリエッタ「それで、ベジータさんは今どこに行ってるんですか?」
ルイズ「はぅ!」ドッキーン!
アンリエッタ「ど、どうしましたか? ルイズ」
ルイズ「い、いえ…その」
ルイズ(ううう、本当にどうしよう?)
ルイズ(使い魔がどっか行っちゃったなんて恥ずかしくて言えないし……)
ルイズ(あーもーベジータのバカーー!!)
アンリエッタ「……? ルイズ?」
ルイズ「そ、そのベジータは」
「言いづらいなら僕が話してあげようかい? ルイズ」
ルイズ「え? あ! ギーシュ!!」
ルイズ「あんたいつの間に!」
ギーシュ「ご機嫌麗しゅうございます姫様」
アンリエッタ「あ、はぁ、ど、どうも」
アンリエッタ「それであなたは?」
ギーシュ「これは申し遅れて失礼しました姫様」
ギーシュ「私はギーシュ・ド・グラモン、ルイズとは学友です」
アンリエッタ「まあ、もしかしてグラモン元帥の?」
ギーシュ「はい父です。それで彼、ベジータの事なのですが」
ルイズ「ちょ、ちょっと余計な事言わないでよ!」
ギーシュ「姫様に隠し事なんて良くないと思うぞルイズ」
ルイズ「そ、それは」
ルイズ「う~~~~~~」
アンリエッタ「隠し事?」
ギーシュ「はい、ベジータはつい先日ラグドリアン湖にいった帰りに、急に機嫌が悪くなってどこかに行ってしまったみたいなんですよ」
アンリエッタ「まあ……」
アンリエッタ「そうだったのルイズ、今も戻らないのですか?」
ルイズ「は、はい、も、申し訳ありません姫様」
ギーシュ「ところでルイズ、なんでベジータは急に機嫌が悪くなったんだい?」
ルイズ「私が知る訳ないてしょう!」
ギーシュ「うおっと、やぶ蛇だったか」
アンリエッタ「でもベジータさんがいないのでは困りましたね」
アンリエッタ「ルイズ一人に行かせる訳にもまいりませんし」
ルイズ「私だったら一人でも大丈夫ですわ!」
ルイズ「つい最近凄い魔法を身に付けましたので」
ルイズ「あんなベジータなんて、肝心な時にいないダメダメ使い魔なんて必要ありませんわ」
アンリエッタ「うふふ、ありがとうルイズ、でも無理をしなくても良いのですよ?」
ルイズ「え? ひ、姫様私無理なんてしてなくて本当に……」
ギーシュ「そうだルイズ、姫様の言う通りだ無理する必要はないぞ」
ルイズ「何言ってんのよ! あんたは見てたじゃない! 私が光の魔法を使うの!」
ギーシュ「姫様、どうか私めにも、その任を仰せつかってください」
ルイズ「ちょっと無視して話を進めないでよ!」
アンリエッタ「落ち着いてルイズ?」
ルイズ「う」
アンリエッタ「貴方も私の味方になってくれるの?」
ギーシュ「はい、勿論でございます。姫様」
アンリエッタ「ありがとうグラモン殿、ではよろしくお願いしますよ」
ギーシュ「はっ」
ルイズ「ひ、姫様」
ルイズ「……はぁ」あきらめ
ギーシュ「まあそんな顔するなよルイズ、仲間は多い方がいいじゃないか」
ルイズ「もう、わかったわよ」
アンリエッタ「ではルイズ」
ルイズ「は、はい」
アンリエッタ「ウェールズ皇太子にあったらこの指輪を見せて下さい」
ルイズ「この指輪を?」
アンリエッタ「はい、見せれば私の使いだとわかってもらえるはずです」
ルイズ「は、はいわかりましたわ」
アンリエッタ「それと後、こちらから一人協力者を用意させて頂きました」
アンリエッタ「明日の朝、この学院前に来る手筈となっています」
アンリエッタ「その者と合流して出発してください」
ルイズ&ギーシュ「ははっ!」

~朝、魔法学院正門前~

ギーシュ「いやあ、いい朝だねルイズ」
ギーシュ「絶好の任務日和だ。君もそう思わないかい?」
ルイズ「どんな日和よ それ|||」
ルイズ(あーもーこんな奴が一緒なんて)
ルイズ(姫様が用意してくれた協力者がまともな人だったらいいけど)
ルイズ(……まったくどこに行っちゃったのよベジータ
モコモコモコ(土が盛り上がる
ルイズ「ん?」
ヴェルダンデ「もっほー」ボコ(土の中から表れる
ルイズ「ひゃあ!」
ギーシュ「ヴェルダンデ!」
ヴェルダンデ「モフ!」
ギーシュ「ああ、ヴェルダンデ!」ダキッ
ギーシュ「この前連れてかなったからまた置いてかれると思ってんだね」スリスリ
ヴェルダンデ「モフモフ!」
ルイズ「ちょっと連れていけないわよ! そんなでかいの!」
ヴェルダンデ「!」
ヴェルダンデ「モフ」ズリズリ(ルイズに近づく
ルイズ「な、何よ」
ヴェルダンデ「モフー!」ガバー!
ルイズ「きゃ、きゃああああーーー!」

ワルド(ふっルイズに会うのも久しぶりだな)
ワルド(僕のルイズ、成長して綺麗になった君に会うのは楽しみだよ)
ワルド(さぞ可憐に……)
ルイズ「きゃああああーーー!」
ワルド「あ、あの声はまさか僕のルイズ!?」
ワルド「ん、なんだあの嫌らしい使い魔は、許せん僕のルイズに!」ジャキ
ルイズ「ちょっといい加減にしなさいよ!」ぐ! ぐぐぐ(ヴェルダンデを持ち上げる
ワルド「!?」
ヴェルダンデ「モフモフー!?」
ギーシュ「ちょ、ちょっと待ってくれルイズ、僕のヴェルダンデに酷い事しないでくれ!?」
ルイズ「知らないわよ! この変態エロ使い魔ーー!!」ブン(壁にほおり投げる
ヴェルダンデ「モッフーン::」ヒューーーン、ドーーーン!!
ギーシュ「ああヴェルダンデ!!」
ルイズ「ふん!」
ルイズ(………)
ルイズ(それにしても大分体を強化する魔法にも慣れてきたわね)
ルイズ(デルフが言ってた通りだわ、強化しても疲れなくなってきたし)
ルイズ(後は空が飛べるようになれば完璧なんだけどな……)
ワルド「………」ポカーン
ルイズ「………」
ルイズ「わ、ワルド様!」
ルイズ「な、なんでここに! と言うかいつからここに!?」
ワルド「や、やあルイズ、随分たくましくなったね」
ルイズ「い、嫌ですわワルド様、見られてたなんて私恥ずかしい///」
ワルド「あ、あはは」
ルイズ「あ、それよりもワルド様がここに来るって事は、もしかして協力者って言うのはワルド様なんですか?」
ワルド「ああその通りだ、君がこの任務に行くらしいって話を聞いてね」
ワルド「志願したんだ。何せ僕は君のフィアンセだからね」
ルイズ「そ、そんな風に言われてしまうと照れてしまいますわ///」
ワルド「さあ行こう僕のルイズ」
ルイズ「は、はい///」
ワルド「うむ」さっ(お姫様抱っこしようとする
ワルド「………」ピタ
ルイズ「? ワルド様?」
ワルド「……これ要る?」
ルイズ「え?」
ワルド「い、いやなんでもない、さぁ僕のグリフォンに乗って」
ギーシュ「おお魔法衛士の人が協力者とは心強いね」
ワルド「君は?」
ギーシュ「同行者のギーシュ・ド・グラモンだよ、あっはは」
ルイズ「ちょっと! ギーシュ失礼よ! ワルド様は魔法衛士隊の隊長なのよ!?」
ギーシュ「え!? 隊長、ワルド? あ、あの有名な、し、失礼しました!」
ワルド「いや気にしないでくれ隊長風をふかすのは性に合わなくてね」
ワルド「気楽に話しかけてくれて構わないよ」
ギーシュ「い、いい人だ」
ルイズ「まあワルド様がそう言うのでしたら……」
ワルド「所でルイズ?」
ルイズ「は、はい」
ワルド「君の使い魔が見当たらないようだが……」キョロキョロ
ルイズ「あ、あのそれは」
ワルド「ん?」
ギーシュ「ルイズの使い魔、ここ数日どっか行っちゃって帰ってこないんですよ」
ルイズ「だからちょっと勝手に言わないでよ!」
ギーシュ「はっはっは」
ワルド(ふむ、フーケが上手くやってくれたようだな)
ワルド(凄い力を持つ使い魔と聞いていたが、案外大した事なかったな)
ルイズ「ワルド様?」
ワルド「ん? ああすまないルイズ」
ワルド「使い魔がいなくなって、さぞ寂しい思いをしてたのに無神経な質問をしてしまって」
ルイズ「……寂しい? そ、そんな事ありませんわ!#」
ワルド「おおっと」
ルイズ「あ、すみませんいきなり大声出してしまって///」
ワルド「構わないよルイズの声なら何だって可愛く聞こえるさ」
ルイズ「も、もう///」
ルイズ「と、とにかくあの馬鹿使い魔、本当に頭にきてたので、いなくなって清々してたところですわ、ふん!」
ワルド「そうか……」
ワルド(ふむ、男の使い魔が召還されたと聞いてたから心配してたが、どうやら大丈夫のようだな)
ワルド「じゃあそろそろ出発するか」
ルイズ「は、はい」
ギーシュ「了解しました。ミスター・ワルド」

アルビオン行き飛行船発着場、宿屋~

ワルド「しかし驚いたな」
ワルド「今朝方見た、あんな大きい使い魔を投げ飛ばした力は、魔法による物だったなんて」
ルイズ「わ、私ったら、よく考えたらなんてはしたない真似を」
ワルド「そんな事はないルイズ、その魔法が出来るのはとっても凄い事なんだ」
ワルド「自分を誇りに思っていい」
ワルド(しかし虚無の魔法は馬鹿力を与えるだけなのか?)
ワルド(調べていた伝承とは随分異なるような気がするが……)
ルイズ「ふ、ふふ…うひひ///」
ルイズ(ワルド様に褒めて貰えたっ!)
ルイズ(この魔法が使えるとみんなが褒めてくれる、みんなが認めてくれる)
ルイズ(こんな背中がゾクゾクして胸が震えるくらい嬉しくなるのって初めて)
ルイズ(ほ、本当にベジータに教えてもらって良かった!)
ルイズ(本当に……)
ルイズ(………)
ルイズ(ベジータ本当にどこいっちゃったのかしら……)シュン
ワルド「ん? どうしたんだいルイズ?」
ルイズ「あ、い、いえ、なんでもありませんわワルド様」
ワルド「ふむ、そうか」
ワルド「さて夜も更けて来た事だし、僕たちの部屋に行こうかルイズ」
ルイズ「ぼ、僕たちの部屋って……」
ルイズ「だ、ダメですわ、結婚前の娘が男と二人でなんて」
ワルド「いいじゃないか僕たちは許嫁同士なんだから」
ルイズ「で、でもそれは親が勝手に決めた事で……」
ワルド「ルイズは会わない間に僕の事が嫌いになってしまったのかい?」
ルイズ「そんな事は!」
ルイズ「あ///」
ルイズ「そんな事はありませんけど……」
ルイズ「あ、そ、そう言えばギーシュはどこに……」
ワルド「彼なら気を効かして山娘を口説きに行ったさ」
ワルド「さあ彼に習って、僕たちも部屋で語り合おう」
ルイズ「え、うう、は、はい……」
ワルド「よし」ぐっ(肩を抱く
ルイズ「あ///」
ルイズ(……ワルド様///)トコトコ
ワルド「ふ」ツカツカ
ワルド「………」ツカツカ
ワルド「さあついた、ここが僕たちの部屋だよ」
ルイズ「は、はい///」
ワルド「お先にどうぞレディ」ガチャ(ドアを開ける
ルイズ「……///」
ルイズ(ど、どうしよう、なんでこんな事になっちゃったのかしら///)
ルイズ(わ、ワルド様は嫌いじゃないけど……)
ルイズ(でもでもまだこう言うことは!)
ルイズ(あーもーどうすれば良いのよ!)
ルイズ(なんでこんな時に側に居てくれないのよベジータは!)
ルイズ(……ってなんであいつなのよ)
ルイズ(ワルド様の方が優しいし格好いいし)
ルイズ(それに比べてあいつは最低で髪型変で自称王子だし……)
ルイズ(………)
ルイズ(ま、まあでも魔法教えてくれたりフーケを倒したり)
ルイズ(たまに頼りになるから、ちょ、ちょっとだけ、格好いい…かもって思っちゃう事もあるけど///)
ワルド「ルイズ? どうしたんだ? さあ部屋に」
ルイズ「あ……///」
ルイズ「うっ…うっ」
ルイズ「わ、ワルド様! 私やっぱり」クル(踵を返す
ワルド「る、ルイズ!」ガシッ(ルイズの手を掴む
ルイズ「は、離してください!」タタタ
ワルド「ルイズ、ちょっと待って…うお!?」グイ(掴んだルイズの手ごと引っ張られる
ルイズ「ご、ごめんなさい」タタタ
ワルド「ちょ、ちょっと、お、落ち着くんだルイズ!」ズルズルズル!
タタタ、グル(廊下の曲り角をまがる
ワルド「うおおお!?」ドーーーン!(壁に激突する
パラパラ……
ルイズ「わ、ワルド様!?」
ルイズ「す、すみません私気がつかなくて(無意識に力を高めちゃった;)」
ワルド「い、いいんだルイズ;」
ワルド「ど、どうやら僕は気をせいてしまったようだね」
ワルド「きょ、今日は部屋をもう1つ部屋を借りる事にするよ;」
ルイズ「ほ、本当にごめんなさい、ワルド様……」
ワルド「ほ、本当にいいんだ」
ワルド「そ、それに旅も終わればきっと君もその気になってくれるだろう」
ワルド「それまで待つ事にするよ」
ワルド「じゃ、じゃあ君はその部屋を使ってくれ」
ルイズ「は、はい」
ワルド「お休みルイズ」ツカツカ
ルイズ「は、はいお休みなさいませワルド様;」
ルイズ「………」
ルイズ「……はぁ;」とてとて、ガチャ(部屋に入る
ルイズ「………」とてとて
ルイズ「………」ぼふ(ベッドに倒れ込む
ルイズ「私ったらなんて事を……」
ルイズ「絶対嫌われたわ」
デルフ「嬢ちゃんも色々と気苦労が耐えねえみたいだな」
ルイズ「デルフ!? あんたいつの間に」
ルイズ「って言うか!」
デルフ「あん?」
ルイズ「あいつはどこ!? 今どこにいるの!?」
デルフ「あいつって相棒か?」
ルイズ「それ以外にいないでしょ!」
デルフ「相棒ならどっかの山奥でメチャクチャ暴れてたぞ」
ルイズ「はぁ? なにそれ;」
デルフ「湖の件でお前さんたちに助けられたのが結構ショックだったみたいでな」
デルフ「それで納得いかねーって暴れてるんだ」
ルイズ「そんな事言ったって、あの時は力を封じられてたんだからしょうがないじゃない;」
デルフ「相棒にとっちゃそこら辺は理屈じゃないらしい」
デルフ「俺も散々そう言ったんだがな」
デルフ「失せろ、消えろの一点張りで話にならねえ」
デルフ「んで、そこにいてもしょうがないからこっちに来たって訳さ」
ルイズ「でもそんなんでイライラするとか子供なの?;」
デルフ「相棒はプライドの塊みたいな性格してるからな」
デルフ「それによ相棒は戦闘民族らしいからな、それが戦いの素人のお前らに助けられちゃ立つ瀬もねえって感じか」
ルイズ「何よそれ…そんな事言われても知らないわよ;」
デルフ「だがなそれが相棒、お前の使い魔ベジータなんだ」
ルイズ「……!」
デルフ「だんだん嬢ちゃんにもわかってきてると思うがな」
デルフ「あの性格は天地がひっくり返ったって治らねえと思うぜ」
ルイズ「………」
デルフ「それによ、相棒はスーパーなんたらになれなかったり、カカなんとか倒せなかったり色々悩んでるんだ」
ルイズ「………」
デルフ「おめえさんも相棒の主人ならそこら辺は受け止めてやれ」
ルイズ「そんなのわかってるわよ!」
デルフ「へっ!?」
ルイズ「だからってなんで私が妥協しないといけない訳!? ふざけないで」
デルフ「んーまあ、そうだな;」
ルイズ「……それに帰って来なきゃ受け止められもしないじゃない……」
デルフ「……! そうだよな、とりあえず戻ってこねえとな? カカカ」
ルイズ「ふん」
ルイズ(……ベジータあんたは強いから)
ルイズ(この私が強いって認めて上げるから)
ルイズ(一人でうじうじ悩んでないで早く帰って来なさいよ…ばか)
デルフ(お互い似たような性格をしてるからな、磁石みてーに反発していけねえやと思ってたが)
デルフ(中々どうして少しは上手く行きそうじゃないか)
デルフ(……後は相棒の問題か)

~翌日飛行船、船内~

ワルド「いよいよアルビオンだな」
ルイズ「ええ、それにしてもギーシュったら口説いた山娘と上手く行ったから姫様から仰せつかった任務を放棄するなんて」
ルイズ「不敬罪不敬罪! 学院に帰ったらモンモランシーに言ってやるんだから」
ワルド「彼を許してやってくれルイズ、私がそうするよう進めてしまったんだ」
ワルド(私が金で雇った山娘に上手く骨抜きにされたようだな)
ワルド(邪魔者は一人でも少ない方がいい)
ルイズ「で、でも……」
ワルド「それに、そんなに彼がせめられると私も心苦しいな」
ルイズ「え?」
ワルド「何故なら僕も、君と二人っきりになりたいって下心から彼に進言したのだからね」
ルイズ「そ、そんな嫌ですわ、ワルド様///」
ワルド「ルイズ」キュ(ルイズの手を掴む
ルイズ「えっ?///」
ワルド「この旅が終わったら結婚しよう!」
ルイズ「え? え~!?」
ワルド「嫌かい?」
ルイズ「いい嫌ではありませんけど、まだ私学生ですし///」
ワルド「愛に年なんて関係ないさ」
ルイズ「そ、そんな♪ で、でも///」
ワルド「………」
ワルド「ルイズ、もしかして君は召還した使い魔の事が好きだったりするのか?」
ルイズ「えっ?」
ルイズ「………」
ルイズ「……///」カア~~~(顔が真っ赤になる
ルイズ「そそそそんな事ありえませんわ!///」
ルイズ「あああんな奴の事なんか、何とも思ってませんもの!!///」
ワルド「……ルイズ、やはり君はその使い魔の事を……」
ルイズ「だだだから違いますって!!///」
ワルド「無理をしなくていいんだよ……」
ルイズ「だからっ! だからっ!」
ルイズ「う~~~~///」
ルイズ「受けます!」
ワルド「え?」
ルイズ「私ワルド様との求婚をお受けしますわ!」
ワルド「……そ、そうか」
ワルド「嬉しいよルイズ、僕の花嫁」ダキッ
ルイズ「ワルド様///」
ワルド「ルイズ…愛しているよ」
『愛しているぞ』
ルイズ「……!」
ルイズ「く……」ブンブン(がぶりふる
ワルド「ルイズ?」
ルイズ「あ、なんでもありませんわ///」
ルイズ(何よあんな言葉、惚れ薬のせいで言ってただけじゃない)
ルイズ(なのになんでこんなに気になるのよ///)キュ(目をつぶる
デルフ「結婚か、そりゃめでてえ事だな! カカカ)
ルイズ「で、デルフ、またあんたいつの間に!」
ワルド「な、なんだその剣は!?」
ルイズ「あ、ワルド様これは;」
デルフ「俺は伝説の剣デルフブリンガー! よろしくな二枚目」
ワルド「インテリジェンスソードか…これは珍しい」
ルイズ「ちょっとなんなのよあんた!」
デルフ「あん? ああ相棒があの有り様だからな」
デルフ「それで、しばらく嬢ちゃんの方について行ってやろうと思ってな」
ルイズ「ついて行ってやる……って、何勝手に決めてるのよ!」
ワルド「ははは まあ良いじゃないかルイズ」
ワルド「道中の楽しいお供が出来て、僕は良いと思うよ」
デルフ「お! 若えのに中々話のわかる男じゃねえか!」
ワルド「はは、よろしくお願いするよ、僕はワルドだ」
デルフ「おう! よろしくな!」
ルイズ「もうワルド様ったら」
ワルド「ところでルイズ、もういいんじゃないかな?」
ルイズ「え? 何がですかワルド様?」
ワルド「皇太子の潜伏先さ」
ルイズ「そ、それは」
ワルド「ん?」
ルイズ「姫様に到着するまで誰にも言うなと」
ワルド「ふむ……」
ルイズ「ご、ごめんなさい」
ワルド「いや任務の重要性を考えたら当然の事さ」
ワルド「僕が軽率すぎた、君が気にする必要はないさ」
ルイズ「あ、ありがとうございますワルド様」
ワルド(ふん、まあそう急くこともあるまい)
ワルド(とりあえずは皇太子とアンリエッタが通じていた恋文を手に入れるまでは穏便に進めるか)
デルフ「………」

~皇太子の潜伏先~

ワルド「この廃教会が潜伏先だったのか……」
ルイズ「ボロボロ、本当にこんなところに皇太子様なんていらっしゃるのかしら?」
ワルド「!」
ゾロゾロ(大勢の騎士達が現れる
リーダーらしき騎士「何者だ?」
ワルド「こちらはトリスティンから来た特命大使ラ・ヴァリエール嬢」
ワルド「どうかウェールズ皇太子にお目通りをお願いしたい」
リーダーらしき騎士「トリスティンだと……?」
リーダーらしき騎士「嘘をつくのならもっとましな事を言うんだな」
ルイズ「ほ、本当なんです! 信じて」キラリ(指輪が光る
リーダーらしき騎士「その指輪は!?」
ルイズ「え?」
リーダーらしき騎士「君、この指輪とその指輪を合わしてみてくれないか?」
ルイズ「そ、それはどう言う……」
リーダーらしき騎士「いいから、さあ」
ルイズ「は、はい、では」
キイイイイン(2つの指輪の間に光が生まれる
ルイズ「こ、これは!?」
リーダーらしき騎士「この指輪はアルビオン王家に伝わる風のルビー、そしてそれは水のルビー」
リーダーらしき騎士「風と水は虹を作る、王家にかかる虹を」ガサゴソ(兜を取る
ルイズ「あ、あなたは……!」
ウェールズ「失礼したトリスティンからの大使殿、私がアルビオン皇太子ウェールズ・チューダーだ」

ルイズ「姫様からの密書です」
ウェールズ「………」
ウェールズ「わかった」コツコツ
ウェールズ「………」ガサゴソ
ウェールズ「ではこれを」スッ(手紙を渡す
ルイズ「………」
ルイズ「あ、あの姫様は亡命をお進めしたんじゃないんですか?」
ウェールズ「……ふ」
ウェールズ「特命大使が密書の中身を知るのは越権行為が過ぎるのでは? 大使殿」
ルイズ「……しかし!」
ウェールズ「大使殿、この戦争はただ単に国の内乱では済まされない物なのだ」
ルイズ「え? それはどう言う……」
かくかくしかじか
ルイズ「レコンキスタ?」
ウェールズ「ああ、この戦争を裏で操っている謎の組織だ」
ウェールズ「僕はその存在をようやく掴んだんだ」
ウェールズ「僕はこの組織を命をかけて倒す、そう決めたんだ」
ウェールズ「すまないがアンリエッタにはそう伝えてくれ」
ルイズ「ウェールズ皇太子……」
ルイズ「わかりました。……では失礼します」
ウェールズ「うむ」
ルイズ「では」ガチャ、キィー、バタン
ルイズ(……皇太子)
ワルド「それが例の手紙だね」
ルイズ「ええ」
ワルド「これで任務は終了だな」
ルイズ「はい」
ワルド「……ルイズ、僕はウェールズ皇太子に結婚の媒酌をお願いしようと思う」
ルイズ「え…結婚ってここで!?」
ワルド「ああ」
ルイズ「だ、ダメよ、まだトリスティンにも戻ってないのに;」
ワルド「ダメだ、ルイズ君は僕の物だ」ダキッ
ルイズ「ワルド様///」
ワルド「ただ僕の言うことだけに従ってればいいんだ」
ルイズ「……え?」
ワルド「お願いします」
クロムウェル「………」
ルイズ「だ、誰?」
クロムウェル「逃げられはせぬ虚無の末裔よ」キイイイイン
ルイズ「あ……」
ワルド「我らの物になるんだ、そうレコンキスタの物にね。僕のルイズ……」
ルイズ「レコンキスタ……! ワルドあなた……!」
クロムウェル「ふっふっふ」キイイイイン
ルイズ「あ…あ」
ルイズ「あ……」ガク
ルイズ(ベジータ……)
ワルド「くくく」
デルフ(やはりこうなったか、やべえぜ相棒!)

~皇太子潜伏先、夕刻~

カーンカーンカーン
ウェールズ「それでは二人の結婚式を執り行う」
ルイズ「………」
ウェールズ「新郎、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド」
ウェールズ「汝、始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして妻にする事を誓いますか?」
ワルド「誓います」
ウェールズ「新婦、ラ・ヴァリエール公三女、ルイズ・フランソワーズ……」
ルイズ(何? 私一体何やってるの)
ルイズ(体が動かない、口も……!)
ウェールズ「誓いますか?」
ルイズ「ちか、ちちちかい」
ルイズ(ダメぇ! このままじゃ私結婚させられちゃう!)
ルイズ(誰か! 誰か助けて……!)
ルイズ(ベジータ助けて!)
ドオオオオーーーーン!!
ワルド「何!?」
パラパラ
ウェールズ「な、何だ? 天井から何か降ってきたぞ!?」
ベジータ「………」
ルイズ(……ベジータ!)
デルフ「間一髪間に合ってところだったな相棒!」
ルイズ(デルフ! そっかデルフが呼んできてくれたのね!)
ウェールズ「な、何者だ! 衛兵この者を捕らえよ!」
ワルド「あの力に様相……マチルダ
から聞いてた使い魔」
ワルド「ちっあの女しくじりやがったな」
ベジータ「ちっ馬鹿女が、また身の丈合わねえ事して面倒かけやがって」
ベジータ「俺の側から離れるなと言っただろうが!」
ルイズ(なっ!?)
ルイズ(何よそれー!? あんたが勝手にどっか行っちゃってたんでしょ!!)
ワルド(この騒ぎで皇太子が逃げられてもかなわん、先に……殺る!)
ルイズ(皇太子殿下!)
ワルド「………」ドス(ウェールズを貫く
ウェールズ「な、き、貴様レコンキスタの……」
ルイズ「い、いいや……いや(いやーーーー!!!)」
騎士「貴様~~~!!」
ワルド「ふん! はぁ!」びゅおおおお(竜巻
騎士「うあああ!!!」
ベジータ「………」
ワルド「やあ、初めまして使い魔君、僕はワルドだ」
ワルド「突然で悪いけど死んでもらえるかな?」
ワルド「ルイズに君は必要ないんでね。何故ならこの僕がいるからね」
ワルド「はぁ!」びゅおおおお
ルイズ(ベジータ……!)
ゴオオオオオオオオオ!!(竜巻がベジータを襲う
ワルド「くくく」
ベジータ「………」
ワルド「な、何! 効いていないのか!?」
ベジータ「ホコリを舞わせるだけか? くだらん風遊びだ!」
ワルド「く、まさかとは思ってたが魔法が効かないとはね。さすが虚無の使い魔と言ったところか……」
ベジータ「虚無?」
ワルド「だがね……クロムウェル卿!」
ベジータ「ん……?」
クロムウェル「ふっ…戦え虚無の末裔よ」キイイイイン
ルイズ「ハアアア……(え!? 体が勝手に)」
クロムウェル「行け、奴を倒すのだ!」キイイイイン
ルイズ「………」ヒュッ!(凄いスピードでベジータに詰め寄る
ワルド(すっ凄いスピードだ、いいぞこれなら……)
ルイズ「………」シャ!(ベジータに向かってパンチをする
ベジータ「………」パシッ、グググ(ルイズのパンチなんなく掴む
ワルド「何! あの怪力を片手で止めるだと!」
ベジータ「貴様らは哀れな勘違いをしてるようだから言ってやるが」
ベジータ「俺の戦闘力はチビ女のそれを遥かに超えているんだぞ? マヌケ!」
ワルド「な、何だと!」
クロムウェル「そ、そんな筈はない! 虚無の末裔よ もっとだ! もっと力を出すのだ」キイイイイン
ルイズ(な、何? またあの指輪の力
? う! なんかぼーっとして……)
ドグン!
ベジータ「む!」
デルフ「どうした相棒!」
ベジータ「なぜかわからんがチビ女の戦闘力がアップしやがった」
ベジータ「まだまだ相手ではないが、一万位まで上がったぞ?」
ベジータ「信じられん一体どうなってやがるんだ?;」
クロムウェル「もっとだ! もっと力を出せ虚無の末裔!」キイイイイン
ルイズ(……や、やめて、あ、頭が……)
ドグッドグッドグッ……
ベジータ「ま、まだ上がってる、信じられんギニュー特選隊のレベルすら超え始めたぞ!?」
デルフ「まさかありゃ、間違いねえ、この尋常じゃない繋がり方はそうかも知れねえ」
ベジータ「な! 貴様何か知ってるのか」
デルフ「ああ、嬢ちゃんは力を引きだし過ぎて虚無その物になっちまいそうになってるんだ」
ベジータ「な、何? それは一体」
ルイズ(い…やぁ……し…ろく…なる)
ルイズ(あ…た…まが…まっ…しろに)
ルイズ(な…にも…なく…なる……なにもか…もが)
ルイズ(無…になる)
カッ!(辺り一面が光に包まれる
ベジータ「く!」
クロムウェル「おお……」
ワルド「これが虚無の力……!」
シュウウウン(光が消えていく
ルイズ「………」
ベジータ「……;」
ベジータ(な、なんだこの戦闘力は?)
ベジータ(お、俺を超えてる…馬鹿な;)
ワルド「な、なんかよくわからんが、さあルイズ! 使い魔を倒すんだ!」
ルイズ「……倒す、倒す、倒す」シュン
ベジータ「く! はや!」
ルイズ「………」ブン!
ベジータ「む!」サッ(ルイズのパンチを難なくかわす
ベジータ(ん、なんだ素人丸出しのパンチじゃないか
ベジータ(これならいくら戦闘力が高くても大した事は……)
ルイズ「………」ブン!
ベジータ「ふん!」ドッ(ガード
ルイズ「………」ぐぐぐ
ベジータ「なっ! ぐお、押され!」
ベジータ「ぐあっ!」ヒューーーーン!
ドオーーーーーン!!(小山ごと吹き飛ばされる
ガラガラガラ
ベジータ「ちっ、な、なんて馬鹿力だ……くぅ」
ワルド「い、いいぞルイズなんて素晴らしい力なんだ!」
ルイズ「………」スッ(片手をベジータに向ける
ワルド「ルイズ?」
ルイズ「…倒す、倒す、倒す」キュイイイイイイン!
ワルド「!?」
ベジータ「なっ! く!」
ルイズ「………」ドギューーーーーーン!!
ヒュルルルルルル……
スドオーーーーーーーン!!!!
ゴオオオオオオオオオ……(爆発中
ビュオオオオオオオ!!(爆風
ワルド&クロムウェル「………」
ベジータ「な、なんて威力だ、当り方次第じゃこの星が吹っ飛ぶぞ?;」
デルフ「そんなにすげえのか?」
ベジータ「それより貴様! なんなんだあのチビ女の力は!?」
デルフ「うむ、とりあえず嬢ちゃんは虚無の使い手って言う伝説の魔法使いなんだ」
ベジータ「なんだと? あのガキにそんな力が……」
デルフ「で、その虚無の力は、上手くは説明出来ないが、別の世界から引っ張ってきている力なんだ」
デルフ「本来ならその力は少しずつしか引っ張ってこれない代物だったが」
デルフ「おめえさんが娘っこに力の高め方を教えたもんだから、引っ張ってくる穴が大きくなっちまったんだと思う」
デルフ「それに加えてあいつが持ってる、あの人の心を操る指輪だ」
デルフ「あれが嬢ちゃんの潜在能力を100%引き出しちまって、それが限界の限界以上まで力引き出しちまった見たいで」
デルフ「結果、虚無の世界と一体化に近い状態まで力をパワーアップしちまったみたいだ」
ベジータ「虚無の世界とやらがなんなのかわからんが」
ベジータ「本当にそんな事であそこまでパワーアップできるのか?;」
デルフ「おれっちもこんな事は初めてだから、おそらくとしか言えないがな」
ベジータ「く…俺は自分で自分の首を締めちまったって訳か……;」
ルイズ「………」シュン!
デルフ「来るぞ、相棒!!」
ベジータ「ちっ!;」

キュルケ「な、なんだったのさっきの光は?;」
タバサ「……わからない」
キュルケ「ギーシュに聞いて、お髭のイケメンを探しにこんな所まで来たけど」
キュルケ「何かとんでもない事が起きてるみたいね」
キュルケ「面白そうだから行ってみましょうよ」
タバサ「……危険」
キュルケ「だからいいんじゃない、さあ行くわよ!」
タバサ「……ん」
ゴオオオオオオオオオ!(光があった方向に飛ぶ
キュルケ「あらあんな所に教会が」
キュルケ「ん? あそこにいるのはダーリン! …それとルイズ?」
キュルケ「な、何? 戦ってるの? あれ」
タバサ「……!」
ルイズ「……! ……!」ブン! シャ!
ベジータ「く! は!」サッ
ベジータ(やっぱりだ、戦闘力がとんでもないが、力の使い方がわかってないようだな)
ベジータ(この程度ならしのぐは容易い!)
ベジータ「しかしどうすりゃいいんだ?;」
ベジータ「倒しちまったら俺もやられるから攻撃が出来ん、く、くそったれ!」
デルフ「だか悠長にも構えてもいられなそうだぜ相棒!」
ベジータ「ま、まだ何かありやがるのか!?」
デルフ「どうやら力が強すぎて、ここままじゃ娘っこの体の方が持たなそうだ!」
ベジータ「何!」
デルフ「見ろ! 力の奔流で体が張り裂けそうになっているぞ!」
ルイズ「………」プシッ!(少量だが体から血栓が吹き出る
デルフ「このままじゃ体はバラバラだな」
ベジータ「な、何だと!?」
ルイズ「……!」ブン!
ベジータ「しまっ……!」
ドカ!(ルイズのパンチがベジータの頬捉える
ベジータ「……!」ヒューーーーーン!
ドーーーーーーン(大岩にぶつかる
ガラガラガラ……
キュルケ「嘘! ダーリンがやられてるの!?」
タバサ「……;」
ベジータ「ぐく、なんて重い一撃なんだ……」
ベジータ「しかしなぜだ?」
デルフ「あん? なにがだ?」
ベジータ「チビ女の体がバラバラになりそうって言うなら、痛みも相当なハズだ」
ベジータ「なぜその痛みが俺に伝わらない?」
デルフ「たぶん指輪の力でベルセルクにもされてるんだろう」
ベジータベルセルク?」
デルフ「痛みの感じない狂戦士だ」
デルフ「娘っこが痛みを感じたらお前も痛くなるんだから、感じてなかったら痛くなくても当然だろう」
ベジータ「ちっそう言うことか、まあ少しは救いがあってよかったな;」ニヤ
デルフ「……! 相棒来るぞ!」
ルイズ「………」キュイイイイイイン!
ベジータ「く!」
キュルケ「あれはいつもダーリンがやっている……」
キュルケ「まさかさっきの光はルイズがやったの!?」
タバサ「……;」
ベジータ「く! しかし痛みを感じないなら」
デルフ「あん? お、おめえまさか?」
ベジータ「はぁ!」シュン!(一瞬でルイズの背後にまわる
ルイズ「……!」
ベジータ「たあ!(当て身で気を失わせれば)」ドン!!(首に当て身
ルイズ「………」
ベジータ「はぁはぁ……」
ルイズ「………」チラ
ベジータ「な、何!」
ルイズ「………」ブン!
ドゴ! メリメリ(ベジータの腹にルイズの手がめり込む
ベジータ「はぐぉっ! …か…かかは」ヨロヨロ、ドサッ(よろけながら地面に倒れる
デルフ「馬鹿かお前は! 娘っこは痛みを感じないんだから気絶なんかする訳ないだろうが」
ベジータ「くっ」
デルフ「それに気絶したらお前さんも気絶するだろうが!」
ベジータ「うぐ、だったら10倍の気絶に耐えればいいだけの、は、話だろ」
デルフ「なんだそりゃ、おめー馬鹿じゃないのか?;」
ベジータ(し、しかしチビ女の奴め、俺の渾身の一撃食らっても微動だにしなかったぞ)
ベジータ(ふざけやがって~~~)
ルイズ「………」とてとて(ベジータに近づく
キュルケ「ダーリン!」
タバサ「……!」
タバサ「ぶつぶつ……アイシクル・トルネード!」ビュオオオオオオオ
ルイズ「!」
ビュオオオオオオオ(竜巻がルイズを包む
ルイズ「………」
タバサ「……! 効いてない?」
ルイズ「………」
ルイズ「……!」ドォン!!(気合い
ゴオオオオオオオオオ!(気合いによる爆風
タバサ「……く;」
キュルケ「きゃあああ!」
ゴロゴロゴロ(吹き飛ばされる二人
キュルケ「うーん……」ガクッ
タバサ「……う、う」ガクッ
ベジータ「バ、バカヤロー、お前たちが敵う相手じゃないんだぞ……く」
ルイズ「………」とてとて(再度ベジータに近づく
デルフ「相棒逃げろ!」
ベジータ「く……!」ゴロ
ルイズ「……!」ドン!(地面を踏み抜く
ゴシャアア、ガラガラガラ(クレーター状に穴があく
ワルド「す、凄い力だ、まるで神話の神のような……こ、これが虚無」
クロムウェル「ふふふ、良いぞ素晴らしい力だ、この力で一気にアルビオンを、トリスティンを、いやハルケギニア全てを手に入れてやるぞ!!」
ベジータ「くそ、調子に乗りやがって……」
ベジータ「だがこのままじゃどう足掻いてもじり貧だぜ……」
デルフ「……一つだけ手はあるぜ?」
ベジータ「なにかあるのか!?」
デルフ「おれっちもたぶんとしか言えない手だが……」
ベジータ「な、なんだそれは? 早く言え!」
デルフ「本来虚無の力ってのは魔法を打ち消す力なんだ」
デルフ「だから普通、あれだけ力が発揮していたらあの指輪の力を打ち消していてもいいハズだ」
ベジータ「何! じゃあなんで操られたままなんだ!?」
デルフ「うむ、それが出来てないって事は嬢ちゃんは、虚無の使い手としては真の目覚めをしてないのだろう」
デルフ「虚無に目覚めるには、嬢ちゃんだけの力じゃ無理だ」
デルフ「使い手と使い魔の信頼関係が高まるほど虚無は目覚める」
ベジータ「だ、だからそれはどうすればいいんだ!」
デルフ「簡単に言えば、嬢ちゃんとお前がラブラブになれば良いって事だ!」
ベジータ「ラブラ……で、出来るかーー!!///」
デルフ「出来なきゃお仕舞いなだけだ」
デルフ「ありゃあもう長くは持ちそうもないからな」
ルイズ「………」プシッ
ベジータ「ぐく、くそ、ど、どうすりゃいいんだ?」
デルフ「あん?」
ベジータ「だからラブラブになるにはどうしたらいいんだと聞いてるんだ!!」
デルフ「そんなの決まってるだろ! 抱き寄せてキスしてやれ!」
ベジータ「はっ!?」
デルフ「堂々とキス出来るチャーンス!」
デルフ「行け相棒!」
ベジータ「ふ、ふざけるな! そんな事出来る訳ないだろう!///」
ベジータ「そ、それにチビ女だって俺にそんな事されるなんざごめんだろ」
デルフ「かも知れねえな」
デルフ「だがな、俺は嬢ちゃんはおめえの事はそんなには嫌ってはいないと思うぜ」
ベジータ「はっそんな事あるか」
デルフ「そうか? 嬢ちゃんはお前がどっか行っちまってる間、お前が帰って来ない事をずっと気にしてたぞ?」
デルフ「お前が嫌いだったらそんな事気にしないだろ」
ベジータ「………」
デルフ「だから後ほんの少し、少しでいいからお前さんが嬢ちゃんに信頼を寄せてやれ」
ベジータ「く……」
ベジータ「わ、わかったキスすればいいんだな?」
デルフ「おう! 後ついでに名前で呼んでやればバッチリだ!」
ベジータ「ぐく…ちっ!」
ベジータ「ハアアアア!!!」ゴゴゴゴ(気を高める
ルイズ「………」とてとて
デルフ「来るぞ! 相棒!」
ベジータ「うるさい!」
ベジータ「この、くそったれがぁーーー!!!」バシューン!!(ルイズに突っ込む
ルイズ「……!」
ベジータ「うおおお!」ガシッ(ルイズを抱き寄せる
ベジータ(よ、、よし今だチビ女にキスを……///)グググ
ルイズ「………」スッ(頭を引く
ベジータ「ん?」
ルイズ「……!」ブン! ドガッ!(ベジータに頭突きをする
ベジータ「ぐおおおお!?!?」
デルフ「だ、大丈夫か相棒!」
ベジータ「だ、大丈夫な訳ないだろう!」
デルフ「いけねえ相棒! もう一発来るぞ!」
ルイズ「………」スッ(頭を引く
ベジータ(く、だが頭突きも素人同然!)
ルイズ「……!」ブン!
ベジータ(……ここだ!)サッ
ベジータ「ルイズ!」
ルイズ「!」ピク
ベジータ(今だ!!!)
チュ(ルイズにキスをする
ワルド「あ、あいつ僕の花嫁に何をするんだ!!」
ルイズ「………」
ベジータ「ど、どうだ?」
ルイズ「………」
ルイズ「………」
ルイズ「………」
ベジータ「戦闘力も落ちない、な、何も変わらんぞ?」
デルフ「あれれれー?」
ベジータ「あれれれー? じゃない!」
ルイズ「べ…」
ルイズ「ベジータ?」
ルイズ「い、今もしかして?///」
ベジータ「も、戻った! 戦闘力も元に戻っている?」
ルイズ「え?」
クロムウェル「ば、馬鹿な指輪の呪縛から逃れたのか?」
クロムウェル「な、ならばもう一度!」キイイイイイン
ルイズ「くっやめなさい!」
クロムウェル「ゆ、指輪が効かないだと!?」
ワルド「馬鹿な! ルイズ君は!」
ルイズ「わ、ワルド様…いいえワルド貴方は!」
ワルド「くっ!」
ルイズ「ハアアアア……」コオオオオ
ルイズ「……ん!?」
ベジータ「くっ!?」
ルイズ「痛ううう……!」
ベジータ「くっ! こ、こっちまで……」ギリギリ
デルフ「無理するな、さっきの虚無化で体がボロボロになってるんだ」
ルイズ「ううう」
ワルド「なんだかよくわからないがこの内に! クロムウェル卿!」
クロムウェル「う、うむ」
シュイン(風の魔法で消える
ルイズ「あ、逃げられちゃった、でもそんな事より…イタタタ::」
ベジータ「ば、馬鹿、動くな俺まで…ぐくく」
キュルケ「お疲れ様ダーリン何があったかよくわからないけど、終わったみたいね~」
キュルケ「ってルイズシャツ血だらけじゃない!?」
ルイズ「ひぃ、本当だ、なんでこんな事に」
キュルケ「なんか二人とも動くのも辛そうだから帰りはタバサの飛竜に乗っていきなさいよ」
タバサ「……ん」コク
ルイズ「お、お願いするわ」
ルイズ「痛っ!」ヨロ
ベジータ「………」ガシッ(よろけるルイズに肩を貸す
ルイズ「あ……///」
ベジータ「ほらよ」ひょい(飛竜に乗せる
ルイズ「あ、ありがとう///」
ベジータ「勘違いするな、俺が痛いから手を貸しただけだ」
ルイズ「う、うん///」
キュルケ「さっダーリンも」
ベジータ「……俺はいい」
キュルケ「え?」
ルイズ「な、何意地張ってるのよ、あんた私の10倍の苦痛を受けてるのよ?」
ベジータ「10倍の苦痛がどうした?」
ベジータ「10倍だろうが100倍だろうがこのベジータ様に我慢出来ん事はない」
ベジータ「……あばよ」フワ(浮かぶ
ルイズ「ま、待ってベジータ!」
ベジータ「……なんだ」チラ
ルイズ「わかった好きにしてもいい」
ルイズ「でもどんなに遅くなってもいいから部屋には帰ってきて……お願い」
ベジータ「………」
ベジータ「…わかった」
ルイズ「あ……」パアア
ルイズ「…あ、ありがとう」
ルイズ「……じゃあ行って」
キュルケ「いいの?」
ルイズ「……うん」
キュルケ「そう…まあ、あなたたちがそう言うならいいわ」
キュルケ「タバサ」
タバサ「……ん」コク
バサバサバサ
ルイズ「………」
ルイズ(……ワルド様)
ルイズ(……さようなら)

ベジータ(く、ぐく戦闘力すらチビ女に抜かされただと!?)
ベジータ(ありえん、納得できるかそんな事~~~~!!)
ベジータ(くそ! 痛みなんか関係あるか! 今から特訓だ)
『部屋には帰ってきて』
ベジータ「………」
ベジータ「まあ、晩飯くらいには帰るか」

続く

ベジータ「ハルケギニア?」11 - 小説書きながらパチンコ業界から転職を目指すブログ