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鉄血のオルフェンズ、死んでもラフタに幸せになってもらいたいSS「ラフタの死の秘密」7話(終) 死神くんクロスオーバー

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こんにちわどうも、てんたまです。

 

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズで、不毛な死を遂げたラフタをどうにか幸せに

なれるエピソードを書けないか考えるSS最終回です。

 

昭弘に想いを伝える前に死んでしまったラフタ。

彼女は幸せになる事が出来るのか?

 

~1話から見る

www.s-kimamaniotalife.jp

 

最終話

ラフタ「………」

 

「…ん」

 

「ここは…どこ?」

 

「暗い…」

 

(どこまでも暗い…ここはどこなの?)

 

悪魔「ここは死後の世界だ」

 

ラフタ「あんたは…悪魔…」

 

「…そっか、アタシは死んだんだ…」

 

悪魔「ああ」

 

ラフタ「で? これからどうなるの? 天国にでも行くの?」

 

悪魔「いや…地獄だ」

 

ラフタ「え?」

 

悪魔「お前は死ぬ直前に、三つ目の願いを使ったからな」

 

「おかげでお前の魂は、死神が導く前に奪えたって事さ」

 

「だから今俺の前にいる」

 

ラフタ「そっか…」

 

ラフタ「で? あたしこれからどうなるの?」

 

悪魔「悪魔に魂を奪われた者は、地獄で魂を溶かされ…俺たちの糧となる」

 

ラフタ「え…!」

 

悪魔「まあ、そう言われると嫌なもんかも知れないが」

 

「仮に天国にいけたってやる事は同じさ、輪廻転生のために魂は溶かされ記憶は無くなる」

 

「結局どちらもお前と言う個人の人格は消える事は変わりない」

 

「だからまあ天国で消えるのも、地獄でも消えるのも変わりないって事さ」

 

ラフタ「でも糧になるって…その、アタシ食べられちゃうの?」

 

悪魔「溶かされた瞬間、お前の意識は一瞬で消える、そんな事を心配する必要も無くなるさ」

 

「それに契約は果たされた、もうお前に拒む権利はない、お前の魂は俺の物だ」

 

ラフタ「…!」

 

悪魔「お前はそれを承知で俺と契約したんだ」

 

「願いはお前の望むところでは無かったかも知れないが、それでもお前は望み、三つの願いを使ったんだ」

 

ラフタ「…」

 

「うん、そう…だよね」

 

悪魔「潔いな」

 

ラフタ「うん…何だか、良く分からないけど、何かもう怖いって感じが…無いんだよね」

 

悪魔「まあ、もう死んでるからな、肉体があった時の恐怖とか感じなくなってるのさ」

 

ラフタ「そう…なんだ」

 

「…で、いつアタシ消えるの?」

 

悪魔「ああ、一応最後の願いがを叶えたと言う判定が有効になるまで、もう少しだけ待って貰う事になるな」

 

ラフタ「そ、分かった」

 

悪魔「じゃあその時になったらまた来るからな…」

 

ラフタ「…うん」

 

悪魔「…」フッ。

 

ラフタ(…消えた)

 

「…」

 

(昭弘…どうなったのかな?)

 

───。

 

──。

 

─。

 

ラフタ「…遅いわね」

 

「…もう数時間くらい経ったと思うけど、まだなのかしら…」

 

「うーん…」

 

「…そう言えば死んだ直後アジーと一緒にいたけど…」

 

「戻ってアタシが死んでたら、驚いてたかなー」

 

「まあそりゃ驚くか…」

 

「ううん…アジーは生真面目だから…きっと耐えられないかも…」

 

「悪い事したなぁ…」

 

「ごめんねアジー…」

 

「昭弘も…身代わりになったのに結局アタシが死んじゃって責任感じてるんだろうなー…」

 

「せっかくアタシのために命を賭けてくれたってのにね」

 

「命を…賭けてくれたのにね」

 

「昭弘…」

 

───。

 

──。

 

─。

 

ラフタ「…遅い、どころじゃない」

 

「…時計が無いから分からないけど…たぶん数日は過ぎてるよね」

 

「どうなってるのかしら…」

 

「…タービンズのみんなどうなってるのかなー…」

 

「もしかしたらアタシの敵討ちとかやってたりして」

 

「たぶんアタシを撃った奴、ジャスレイの手下だよね…」

 

「…昭弘、アタシのために敵討ちとか───してくれるかな?」

 

「…だったら、ちょっと嬉しいかも」

 

「昭弘…」

 

───。

 

──。

 

─。

 

ラフタ(…あれから何日過ぎたか分からない)

 

(いや何年かも───)

 

(死んでるせいか───辛くは無いけど…)

 

(覚めても覚めても暗闇しかないこの空間にいるのは飽きたな…)

 

(悪魔は確か三つ目の願いを叶えた判定が有効になるまで少し時間がかかるとかって言ってたけど…)

 

(一体どうなってるんだろ…)

 

(もしかして…アタシの魂ってとっくの昔に溶かされちゃってるのかしら)

 

(…───まあ、いいか、それでも)

 

(ん?)

 

(あれ、何か物音が聞こえる…)

 

(これは…足音? 誰かこっちに…くる?)

 

???「…」

 

ラフタ「…?」

 

(誰…このお爺ちゃん?)

 

(やけにがたいが良いお爺ちゃんだなぁ…)

 

???「…」ジー…。

 

ラフタ「…あ、あの」

 

???「…う、うー…うー」

 

ラフタ「?」

 

???「うお…おう、おぉ、おおお…」ボロボロ。

 

ラフタ「え? ちょ…」

 

???「らふた…おぅ…らふたぁ…あっあ…」

 

ラフタ(アタシの名前…? アタシを知ってるの?)

 

(一体誰なの…分からない)

 

(でも…)

 

悪魔「おいおい、そんな爺ちゃんの姿じゃラフタはお前だって分からないぜ?」

 

ラフタ「あ、悪魔…?」

 

悪魔「久しぶりだな」ニヤ

 

「…さあ、ここは死の世界だ、昔のお前を思い出せば、姿もそうなる」

 

「やってみろ───昭弘」

 

ラフタ「昭弘!?」

 

昭弘「おぅ…おお…」パアア。

 

「ら、ラフタ…」

 

ラフタ「あ…昭弘? 本当に昭弘なの?」

 

昭弘「ああ、俺だ…」

 

ラフタ「本当に…」ペタペタ。

 

昭弘「ん…お、おい、そんなベタベタ顔を触るな…///」

 

ラフタ「本当に昭弘だ…」ジワ。

 

昭弘「お、おう」

 

ラフタ「これは一体どういう事なの?」

 

悪魔「最後の願いさ…お前は最後に、昭弘と結ばれたいと願っただろ? だからそれを叶えたのさ」

 

ラフタ「ちょ…///」

 

悪魔「苦労したぜ、何せ死んだあと昭弘と結ばせるには、こいつが死ぬまで待たなきゃいけなかたからな」

 

ラフタ「え? 死ぬまでって…一体どれくらいの年月が?」

 

悪魔「最初の昭弘の姿を見れば、どれくらいだったか分かるだろ?」

 

ラフタ「そんなに…って昭弘、爺さんになったの?」

 

昭弘「あ、ああ、そのぐらいまで俺は生きたから」

 

ラフタ「へ、へーあの昭弘が爺さんにねー…」

 

「ちょっと想像がつかないわ…」

 

昭弘「ラ、ラフタ!」

 

ラフタ「え?」

 

昭弘「もしも死んでお前に再び会えるなら、俺はお前に言いたい事があった」

 

ラフタ「な、なによ…そんな改まって…」

 

昭弘「すまんっ!」

 

ラフタ「え?」

 

昭弘「俺はお前を助ける事が出来なかった、それがずっと悔やんでいた」

 

「だから俺はそれをずっと謝りたかったんだ…すまん」

 

ラフタ「昭弘…」

 

「って、守るって、死ぬ予定は元々アタシだったんだから、あんたが身代わりで命を落とすなんて、いくら何でも余計な事し過ぎでしょ?」

 

「アタシはあんたを殺してまで生きたいなんて思わないよ!」

 

昭弘「すまん…あの時タービンズはバラバラはなってたのに、お前がいなくなったら大変だと思ってな…」

 

「あの時、お前は必要な人間だった、俺なんかよりも…だから俺は…」

 

ラフタ「…」

 

「ぷ、ぷぷ」

 

昭弘「ラフタ?」

 

ラフタ「それで自分が身代わりなろうなんて、ほんと馬鹿ね」

 

「やっぱり筋肉馬鹿」

 

昭弘「悪かったな…///」

 

ラフタ「…でもありがとう嬉しいよ」

 

昭弘「…あ、ああ///」

 

ラフタ「…それに、俺なんかより、なんて事はないよ」

 

ラフタ「昭弘もあの時必要な人間だったよ? 少なくともアタシにとってはね…」

 

昭弘「!…そ、そうか、ありがとう…」

 

ラフタ「うん」

 

「…」

 

「…昭弘、今だから言うけどねアタシね…あんたの事が好きだった…」

 

昭弘「…ラフタ」

 

ラフタ「最初はただの弟みたいに思ってただけだだったけど…」

 

「仲間の事を真剣に思ってさ、仲間をこれ以上死なさない為、ガムシャラに頑張ってるあんたって凄いなって」

 

「そんなあんたの隣でずっと寄り添えたらって思ってた」

 

昭弘「…」

 

「…ラフタ、俺も」

 

ラフタ「え?」

 

昭弘「俺もお前の事が好きだ…」

 

ラフタ「…!」

 

昭弘「…最初はただ助けたいってだけの感情だったけど」

 

「あの晩別れて、お前が死んだって聞かされた時」

 

「失ってはっきり分かったんだ、俺はお前の事が好きだったんだと」

 

ラフタ「昭弘…」

 

昭弘「だから…ラフタ、俺はお前が好きだ…!」

 

ラフタ「…うん」ジワ。

 

悪魔「…」

 

「…さて、じゃあ結ばれた願いを叶えたと言う事で、そろそろ魂を頂こうか?」

 

ラフタ「!」

 

昭弘」「!」

 

悪魔「何をそんなに驚いているんだ、それが契約だろ?」

 

ラフタ「そ、そうよね…分かったわ」

 

昭弘「!」

 

悪魔「では早速…」

 

昭弘「待て! 俺の魂を持って行け!」

 

ラフタ「昭弘!?」

 

「何を言って…」

 

昭弘「俺はお前を助けられなかった…好きだったのに助けられなかった」

 

「だから今度は…!」

 

ラフタ「何を言ってるのよ昭弘…私はそんなのは望んでない!」

 

「止めて…止めてよ!」

 

悪魔「…」

 

「…ふ」ニヤ

 

「あ…そう言えば…」

 

ラフタ「え?」

 

昭弘「む?」

 

悪魔「最後の願いは昭弘と結ばれるだから、天国に行く昭弘と結ばれるようにしなくちゃいけないから…」

 

「これって魂が奪えないじゃないか?」

 

「あれ? これって、もしかして魂が奪えない願いを許しちゃったって事か?」

 

「うーん、俺としたことがしくじったぜ…」

 

ラフタ「あ、あんた?」

 

悪魔「まあ、と言う事で連れてっちまえよ」

 

死神くん「ああ…」

 

ラフタ「あんたはあの時の死神ってやつ?」

 

「なんでここに?」

 

昭弘「俺を迎えに来たのがこいつだったんだ」

 

ラフタ「昭弘の? そ、そう」

 

「でもなんで…」チラ。

 

悪魔「ふん、全く数十年もかけてきたのに、魂のかけらも奪えないなんて、まったく忌まわしい事だよ」

 

「ああ、忌まわしい、お前の顔を見るのも嫌だ、とっと消えちまいな」

 

ラフタ「悪魔…」

 

死神くん「じゃあ二人とも行こうか?」

 

ラフタ「あ、うん」

 

死神くん「じゃあ魂の尾を切らせてもらうよ…」

 

ラフタ「あ、ちょっと待って…!」

 

死神くん「え?」

 

ラフタ「悪魔!」

 

悪魔「ん?」

 

ラフタ「ぎゅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」

 

悪魔「!!!」

 

ラフタ「アタシが叶えてあげる最後の願い、ありがとう…さよなら」

 

死神くん「…切るよ」ジョキ。

 

ラフタ「…」スゥー…。

 

死神くん「昭弘も」ジョキ。

 

昭弘「ああ…」スゥー…。

 

悪魔「…」

 

「失敗しただけって言ってるのに」ポリ。

 

「ふっ…」

 

死神くん「…」

 

「今回は一体どういうつもりだ?」

 

悪魔「どういうつもり? 言ったろ、願わせ方を間違えたって」

 

「それだけだよ」

 

死神くん「お前…」

 

悪魔「あばよ…二度と俺の前に顔を見せるなよ」

 

死神くん「それはこっちのセリフだ」

 

悪魔「ふん」ニヤ。

 

悪魔(…さて次の獲物を捜しに行くか…)

 

悪魔(今度は魂を奪える最低な人間を…)

 

終わり。

 

後書き

と言う事で、ラフタが死んでも報えるようにするSSはこんな感じで終わりですが如何でしたでしょうか?

ただの個人的な妄想SSなんで、作品の雰囲気ぶち壊しだって感じちゃった人がいたらすみません><

本当にただの素人が書いた妄想SSなんで、寛大な心でお許しくださいませ。

 

それとこれを書いているのはまだ機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ二期が放送している最中なので、昭弘がいつ死ぬか分からないので、もしこの先の話で死んでしまったら、昭弘が生きた年数などオリジナルと齟齬が出ると思いますので、そうなったらすみません。

そんな素人SSでも少しでも楽しんでくれた人がいれば幸いです。

 

後、「死神くん」と言う古い漫画クロスオーバーで、分からない人も多くいたかと思います。

死神くんはとんちんかんで有名な「えんどコイチ」先生が書いた漫画で、完全ギャグ路線だったとんちんかんと違って、人の死を捉えた非常に深い話しで、感動できる漫画なので、このSSで知って興味が湧いたら、良かったら見てくださいませ。

また死神くんは、数年前くらいにテレビドラマにもなっているので、そちらも合してどうぞ!

 

ではまた!