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悟飯「学園都市かぁ…」一話エピローグ、DBZxとあるクロスオーバーSS

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カエル先生「じゃあ話を続けようか」
悟飯「は、はい」
カエル先生「うむ…それじゃあ君は…その女性の人と男性の人」
カエル先生「そして君を入れた三人で…その…えーとナメック? と言う場所に行ってたのが、今君がいる場所で状況だったんだね?」
悟飯「そ、そうです…」
カエル先生「ふーむ…それで彼が言ってる話に君たちも心当たりがあるんだね?」
クリリン「は、はい、その通りです」
ブルマ「驚いた…本当にあの頃の悟飯くんなの?」
悟飯「は、はい…僕も驚いてます」
悟飯「クリリンさんは髪の毛が生えてるし…ブルマさんは年を取ってるし…」
ブルマ「何か言った…?」
悟飯「あ…! ご、ごめんなさい!」
ブルマ「むー」
ブルマ「ふう…まあ良いわ」
ブルマ「しかし謝り方も幼くなってるし…本当の本当にあの時の悟飯君なのね」
カエル先生「ふむ…じゃあ彼の話は辻褄合っていると言う訳だね」
カエル先生「それで記憶が子供に戻っているだけで、会話能力には至って普通問題無し」
カエル先生「MRIの検査でも脳に異常は無いし…これは一過性全健忘かな?」
ブルマ「一過性全健忘…一時的に記憶する力が低下して、一定期間の過去の記憶が失われる病気ね」
カエル先生「ほお…詳しいね」
ブルマ「これでも科学者だからね」
ブルマ「少しぐらいは医学も分かるわ」
カエル先生「なるほどね…まあだったらご存じかも知れないが、この病気に効果的な治療法は見つかっていない」
カエル先生「君には少々辛い現実かも知れないが、記憶は自然に戻るのを期待するしか方法は無いんだ」
悟飯「そ、そうなんですか…わ、分かりました」
カエル先生「悪いね」
悟飯「いえ…ありがとうございます!」
カエル先生「…いい返事だね。子供の頃からそうなら、余程親御さんのしつけが良かったんだろうね」
クリリン「まあ…チチさんが母親ならね」
カエル先生「チチさん? それがこの子の母親なのかい?」
クリリン「あ、はい」
カエル先生「そうですか…じゃあ連絡先を教えてくれますか?」
カエル先生「主治医として一度病気の説明を…」
クリリン「え!?」
悟飯「?」
クリリン「いやいや、だ、大丈夫です」
クリリン「僕たちから伝えておきますのでご安心下さい」
カエル先生「そう? ふーむまあそう言うなら分かりました」
ブルマ「何で? 言ってもらえば良いじゃない」
クリリン「ブルマさん! ははは」
クリリン「じゃあ僕たちはこの辺で…悟飯も行くぞ」
悟飯「は、はい!」
ブルマ「な、何よ!」
クリリンはブルマの手を掴み半ば強引に部屋を出ようとする。
カエル先生「あ! ちょっと待ってくれるかい?」
クリリン「い! は、はい? な、何ですか?」
カエル先生「うん、まだ聞きたい事があってね」
クリリン「な、何でしょうか?」
カエル「うん、実はね」
クリリン「は、はい」
カエル先生「…そのね」
クリリン「…」
ゴクリと固唾を飲み込むながらカエル先生の言葉を待つ。
カエル「…ナメックってどこ?」
クリリン「…!」
クリリン「…あ、あはは…」
クリリン「それはですね」
カエル先生「うん」
クリリン「もう何年も前に潰れた喫茶店の事ですよ…はは」
その話の後に、診察室を後にした悟飯、クリリン、ブルマは、戦いで傷ついたインデックスが眠る病室に向かう。
ブルマ「ちょっとクリリン! 何でチチさんに連絡してもらうの邪魔したの!?」
クリリン「そんな大声で怒鳴らないで下さいよ」
悟飯「でも僕も不思議に思います」
悟飯「何でお母さんに連絡しちゃダメなんですか?」
ブルマ「そうよ! 悟飯君だって連絡して欲しそうにしてるじゃない」
クリリン「今説明しますから、僕に喋らして下さいよ!」
ブルマ「わ、分かったわよ」
ブルマ「ただし、くだらない理由であたしに意見したって言うなら許さないんだからね!」
クリリン「分かってますって、だから落ち着いて下さいってば…」
ブルマ「ふん!」
クリリン「ふう…とりあえずな悟飯」
悟飯「は、はい?」
クリリン「お前がナメック星に行ってた時の悟飯で、デンデを助けた直後のお前だって言うんなら」
クリリン「恐ろしいまでの緊張が続く、あの苦しい状況から一転して、もう解決しました。今は平和ですって言われれば、すぐにお母さんの元に帰りたいのは分かる」
クリリン「何もかも解決して地球に戻った気分だと思うからな、それは分かる」
クリリン「だけどな悟飯。それはもう何年も前に終わった事なんだ」
悟飯「は、はあ」
クリリン「今のお前は、この学園都市の学校の一つに通う高校生なんだ」
クリリン「そしてその時のお前は俺によくぼやいてた事がある」
悟飯「ぼやいてた…それは何ですか」
クリリン「ああ…内容までは知らないが、何かお母さんにバレたら、学校を辞めさせられて、実家に連れ戻される」
クリリン「それが嫌だって、高校生のお前はぼやいてたんだ」
クリリン「何がバレたら不味いのか分からないけど」
クリリン「記憶が子供に戻っちゃった、なんてチチさんが知ったら学校を辞めさせられちゃうぞ?」
クリリン「今のお前は確かに子供だけど、元に戻った時の事を考えた方が良いんじゃ無いのか?」
クリリン「子供の頃から頭の良いお前だ」
クリリン「俺の言ってる意味分かるよな?」
悟飯「は、はい…正直自分が高校生なんてピンと来ないですけど」
悟飯「確かにお母さんが知ったら色々不味そうなのは分かります」
クリリン「はは、俺も分かるよ」
ブルマ「何だ…そんな理由だったの」
ブルマ「全く…それならそうと早く言えば良いじゃない」
クリリン「ははは…」
ステイル「おい…話は終わったのかい? だったら少し静かにしてくれないか?」
ステイル「病人が寝てるんだぞ」
クリリン「あ、はい、すいません」
ステイル「…ふん」
インデックス「私なら…大丈夫…だよ」
神裂「…! 意識が!」
ステイル「だ、大丈夫なのか?」
インデックス「ありがと…ちょっとズキズキするけど…もう大丈夫」
ステイル「…ふ」
神裂「分からないかも知れないけど…貴女を縛っていた物は大丈夫ですか?」
神裂「あの別の人格は…」
インデックス「…ううん、分かる」
インデックス「あれになってる時って何となく分かるから…」
インデックス「もう大丈夫…」
神裂「そ、そうですか…良かった」
インデックス「でも完全に消えた訳でも無いかも」
ステイル「…!」
神裂「そ、それはどういう…」
インデックス「感じるんだ、まだ私の中に残ってるのが…何となくだけどね」
神裂「そ、それは本当ですか!?」
ブルマ「ねえ…さっきから何の話してるの?」
ピッコロ「ふん…奴の頭の中には、ドラゴンボールに匹敵するくらいの世界を自由に出来る魔法の力と、それを操る別人格が存在し」
ピッコロ「そしてその別人格は、目的のためなら人の命などまるで気にしない恐ろしい奴だ」
ブルマ「え!? ドラゴンボール並みの力を、そんな悪い奴が!?」
ブルマ「それって不味いんじゃない?」
ピッコロ「ああ…とんでもなく厄介な相手だった」
ピッコロ「しかし、その人格は超神水の力で消す事が出来た」
ブルマ「なーんだもう倒したのね」
ピッコロ「だと思ったが、どうやらまだ奴の中には、その残留した物が残っているらしい」
ブルマ「やっぱり不味いじゃない!」
ステイル「大丈夫なのか…?」
インデックス「分からない…けど、もう人を操るほどの人格を形成するほど力はないみたい」
インデックス「だから…たぶん大丈夫」
ステイル「たぶん…か」
ピッコロ「何なら…もう一度超神水を飲んで確実な物にしておくか?」
インデックス「…うーん」
インデックス「やっぱりいいや」
神裂「…!」
ステイル「何だって…!」
ステイル「よく分からない物に頼るのは不本意だが、しかしあの水は、あれに対して効果は絶大だった」
ステイル「迷うことはないだろう?」
インデックス「ううん…そう言うのじゃ無いんだ」
神裂「だったら何故…?」
インデックス「うん…確かにあれになるのは嫌だけど」
インデックス「でも魔法を使えない私の命を何度も助けてくれたのも事実だし」
インデックス「だから殺しちゃうのは可哀想かなって…」
ステイル「バカな…あれは君を助けた訳じゃ…」
インデックス「むーバカって言う方がバカ何だよ!」
ステイル「いや…まあその」
インデックス「分かってる」
ステイル「え?」
インデックス「分かってるんだよ、そんな事は」
インデックス「だからこれは私がやりたいだけ」
インデックス「自己満足」
ステイル「それが分かって…!」
インデックス「それに私はシスターだもの」
インデックス「どんな悪人にも悔い改めるチャンスを与えなきゃね」
ステイル「君は…」
神裂「ふ…」
インデックス「それより、ごはんはどこ?」
インデックス「あんまり覚えてないんだけど、私を助けてくれたのはごはんなんでしょ?」
インデックス「だから私早くお礼を言いたくて…」
ステイル「あ、ああ彼なら…」
神裂「…」
インデックス「どうしたの…?」
悟飯「…」
インデックス「あ…ごはん! なんだそこにいたんだ!」
インデックス「ありがとね! ごはんのおかげで私…」
悟飯「は、はあ…」
インデックス「? ごはん…?」
一同「…」
インデックス「どうしたの? みんな何か深刻な顔して」
ブルマ「…」
ブルマ「あのお嬢ちゃんね」
インデックス「…?」
クリリン「ブルマさん!」
ブルマ「隠しても無駄よ。だって悟飯君隠し事出来ない性格だし、その場しのぎしてもいずれバレるわ」
クリリン「そりゃそうかも知れないですけど…」
インデックス「何の話…?」
ブルマ「うん、あのね」
ブルマ「私も何でこうなったのか経緯は知らないんだけど、今の悟飯君は高校生になるまでの記憶を失って子供になっちゃったの」
インデックス「え…」
インデックス「ほ、本当なの…ごはん」
悟飯「は、はい…すみません、お姉さんと会うのは初めて何で、僕もよく事情が…」
インデックス「お、お姉さん…」
インデックス「…」
インデックス「私の…私のせいで…」
ブルマ「一応医者に見せたけど、治療法無しって言われたし」
ステイル「当たり前だ、魔法の力で消えたんだぞ」
ステイル「医学何かで直せるわけ無いだろう」
ブルマ「…! 何よ! いけすかない男ねぇ~」
ステイル「なっ…!」
インデックス「本当に何も覚えてないの?」
悟飯「すみません…本当に何も…」
インデックス「…そ…っか」
ピッコロ「…」
ピッコロ「気休めにしかならんかも知れんが」
ピッコロ「一年後にドラゴンボールを使えば悟飯の記憶を元に戻す事は可能だ」
インデックス「え…ほ、本当! みどりのUMA!」
ピッコロ「その呼び方は止めろ! 俺は宇宙人じゃ…」
ピッコロ「元宇宙人だが…今は違う」
インデックス「宇宙人じゃん!」
ピッコロ「うるさい! 本当に落ち込んでいるのかお前は!」
ピッコロ「まあいい話はそんな事じゃない」
ピッコロ「問題はその一年だ」
ピッコロ「その一年、悟飯の母親に記憶が失った事をバレずに学園生活送らなければならん」
ピッコロ「お前…お前たちに、悟飯が記憶を失った事に、少しでも罪悪感を感じると言うならば」
ピッコロ「その手助けをしてやるんだな」
ステイル「…」
神裂「…」
インデックス「…私はやるよ」
ステイル「そう言うと思った」
インデックス「止めないの?」
ステイル「確かに君を行動を制限し見張るのが、僕たちネセサリウスの仕事だけどね」
ステイル「しかし今回の一件があったからどうだか分からないが、教会は君を監視するだけで良いと言ってきた」
ステイル「つまり今のところ君は自由に動いていても構わなくなった訳だ」
ステイル「まあ報告次第ではまた元のようになるかも知れないけど、今のところは好きにすればいい」
インデックス「そっか…」
インデックス「でも」
ステイル「?」
インデックス「元に戻っても変わらないよ」
インデックス「私は私のやりたい事をやる」
インデックス「私はシスターだから神様を信仰してるけど、教会を信仰してる訳じゃ無いんだからね」
インデックス「もう教会に振り回されたりはしない…」
インデックス「今も…そしてこれからもね」
ステイル「…!」
ステイル「ふ…」
ステイル「そうか…だったら頑張ることだね」
ステイル「それで君はどうする?」
神裂「私は少年に、私の命とその子の命、二つの救いを受けた」
神裂「その借りを返すため、少年の手助けをする事に是非も無い」
ステイル「そうか…まあ僕も、どのみちこの子がヒーローの手助けをするなら、監視役として側にいないといけないから」
ステイル「出来る範囲でフォローはしてやるよ」
インデックス「…ふふ」
神裂「…ふ」
ステイル「ふん…だがな神裂」
神裂「何ですか?」
ステイル「もうお礼だとか言って胸押し付けるのは止めとけよ」
神裂「な…!///」
ステイル「今ヒーローは見た目これでも、子供らしいからな」
ステイル「さすがに犯罪になる」
神裂「わ、分かっている…!///」
神裂「あの時は気が動転してたのだ! もうしない!」
クリリン「お前そんな羨ましい事されてたのか?」
悟飯「…? 胸を押し付けられると何で羨ましい事になるんですか?」
クリリン「何言ってんだよ…お前の歳くらいになれば…」
クリリン「あ…そっか今は子供何だっけ」
クリリン「子供は知らなくてもいい事だ。忘れてくれ」
悟飯「え? あ、はい」
神裂「もう止めてくれないか…///」
神裂「本気で死にたくなる…///」
ステイル「ふ」
ピッコロ「話は決まったようだな」
ピッコロ「俺はこんな姿だ。人前にはあまり出る事は出来ない」
ピッコロ「だから変わりに悟飯の事は頼むぞ」
インデックス「緑のUMAさん。ごはんのおししょーだから心配何だね」
ピッコロ「ふん…まあそんなところだ」
インデックス「ごはんの事は任して!」
インデックス「私がそのチチって人から必ずごはんを守ってあげるから!」
ピッコロ「…別にチチが悪いと言う訳では無いのだがな」
ピッコロ「まあいい、俺はそろそろ帰らせてもらうとしよう」
インデックス「え? 行っちゃうの?」
ピッコロ「ああ、この街は監視するカメラが多くてな、どうも落ち着かんのだ」
ピッコロ「まあ何かあったら呼べ…じゃあな」
悟飯「あ! ピッコロさん!」
ピッコロ「ん?」
悟飯「色々ありがとうございました!」
ピッコロ「ふん」
ピッコロは満足げに鼻で一つ笑うと、その直後風のように消える。
クリリン「さて…じゃあ、とりあえずこれからどうするかは決まったみたいだし」
クリリン「悟飯、お前怪我も大した事ないから帰るんだろ?」
クリリン「記憶が無いなら、場所も分からないだろ? 送ってくよ」
悟飯「あ…はい! ありがとうございます」
インデックス「あ! ちょっと待ってくれるかな」
クリリン「はい?」
悟飯「?」
インデックス「ちょっとごはんと話がしたいんだ」
悟飯「僕に話ですか? はい、良いですよ」
インデックス「ありがと、えっと後…」
インデックスは回りにいる人間を見回す。
インデックス「二人で話したいから…」
ステイル「…そうか、じゃあ僕たちは病室を出よう」
神裂「…」
ブルマ「分かったわ」
クリリン「悟飯、また後でな」
ぞろぞろと病室を出ていく。
街の喧騒から遠ざかって行くような静けさが、残された二人を包む。
悟飯「あの…話って」
インデックス「…」
悟飯「あ、あの…」
インデックス「…本当に、子供の頃のごはんなの?」
悟飯「え? あ、はい…」
悟飯「そんな話みたいです」
インデックス「…そんな話って…何だか他人ごと見たいなんだよ」
悟飯「す、すいません…僕もこんな感覚よく分からなくて…」
悟飯「気づいたら…時間がたってて、目線も高いし」
悟飯「顔も…鏡とか見ると、全然知らない自分が…」
悟飯「僕もどうして良いのか…」
インデックス「…ごはんはね」
悟飯「え?」
インデックス「ごはんはね…初めてあったばかりの私にご飯くれたんだよ」
悟飯「は、はあ…」
インデックス「正直あんな状況で、本当にくれるとは思ってなかったんだ」
インデックス「くれたらラッキーくらいの気持ちで言ったんだけど」
インデックス「君は何も疑いもせずに私にご飯くれたんだよ」
悟飯「…」
インデックス「だからね。ごはんはとっても良い人だと思ったんだ」
インデックス「ごはんくれたからじゃなくて、人として」
インデックス「その後も、私を助けてくれるために、色々頑張ってくれたんだよ」
悟飯「へ、へ~そうだったんですか…」
インデックス「そう色々…」
インデックス「…それなのに」
そこまで言うとインデックスはきゅっと唇を噛みながら目尻を震わせる。
悟飯「え?」
インデックス「それなのに私は…そんなごはんを攻撃して」
インデックス「記憶…まで奪って…」
インデックス「記憶を奪って…私と同じようにしちゃうなんて」
インデックス「私、私…!」
インデックスは体を震わせる。
目尻にも既に大粒の涙が溜まり今にも溢れ出ようとしていた。
悟飯「ちょ…ちょっと待ってください!」
悟飯「と、とりあえず泣かないで下さい」
悟飯「ぼ、僕の事は良いですから」
インデックス「でも…」
悟飯「本当に気にしてませんから! ね?」
インデックス「…」
悟飯「…」
悟飯「…それに」
インデックス「…え?」
悟飯「それに僕は誇りに思うんです」
インデックス「ほこ…り?」
悟飯「はい!」
インデックス「…何で?」
悟飯「だって未来の僕は、自分の危険を省みず君は救ったんですよね」
インデックス「…うんたぶん、あのごはんなら」
悟飯「だったら良かった」
悟飯「そう言う大人になれてて」
悟飯「お父さん見たいな強くて勇気のある人になってて」
悟飯「だから例え記憶失ってしまっても、君を助けた未来の僕を誇りに思うんです」
インデックス「…ごはん」
悟飯「きっと未来の僕はお姉さんを救えた事を喜んでいると思います」
悟飯「だからどうか泣かないで下さい」
インデックス「…」
インデックス「そっか…」
インデックス「分かった…」
悟飯「…!」
インデックス「確かにきっとごはんなら、私が悔やむ方が嫌がりそうだもんね」
インデックス「良い人だったから…」
悟飯「い、いえそんな…」
インデックス「そして君も良い人だね。ううん今は子供だから良い子かな?」
悟飯「はは…はい!」
インデックス「…んー! よーし決めた!」
悟飯「え? 何をですか?」
インデックス「記憶!」
悟飯「へ? 記憶?」
インデックス「うん! 君の記憶は、あのドラゴンなんちゃらで一年後に元に戻るんでしょ?」
悟飯「あ…あーはいそうみたいですね」
インデックス「だから記憶が無い一年間は今度は私がごはんを守ってあげるんだよ!」
悟飯「え? は、はあ」
インデックス「…む? 何かなその、何を言ってるの? 無理でしょ普通に、寝言は寝てる時に言うんだよ、見たいな顔は」
悟飯「え! そ、そそそんな事思っていませんよ」
インデックス「ジー…」
悟飯「…(汗」
インデックス「…ふふ」
インデックス「まあいいやどう思ってても」
インデックス「私はもう悟飯から離れないんだよ」
インデックス「一年後、記憶戻るまで絶対にね」
悟飯「は、はあ…」
インデックス「迷惑?」
悟飯「え? い、いえ、そんな事は…」
インデックス「…」
インデックス「…私は君の側にずっといて守ってあげて、そしてそして…」
悟飯「?」
インデックス「一年後…記憶が戻ったらお礼を言うんだ」
インデックス「私を助けてくれたごはんにね」
悟飯「…!」
インデックス「…ダメ…かな?」
悟飯「…いえ、お願いします」
悟飯「きっと未来の僕も喜ぶと思いますから」
インデックス「そっか…ごはん喜んでくれるんだ」
悟飯「はい! たぶん」
インデックス「ふふ…たぶんか」
悟飯「え、あ、いや絶対に…たぶん」
インデックス「結局たぶんになってるけど」
悟飯「え、いや、あ、そうじゃなくて、えと」
インデックス「クスクス、まあとりあえず任されたんだよ!」
インデックス「だから…これから一年間よろしくね…ごはん!」
悟飯「…はい!」
インデックス「ふふ」
悟飯「はは」
二人はお互い見つめあい笑う。
これから過ごす一年間を想像して。
そして思う
冷房の効いた部屋。
それでも夏を感じさせる、強い日差しが差し込む正午の病室で。
悟飯は思う。
今だ慣れない自身の体の戸惑いを感じながら。
その体を夏の日差しがジリジリと照りつけるのを感じながら。
目の前にいる女の子、インデックスと過ごす一年は楽しそうだ、と。
だってこんなに、面白い子なのだから───。
悟飯は子供ながらにそう感じるのだった。

終わり

【あとがき】

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